Richo Auto just 分解記録

本日、ヤフオクで購入したリコーのオートジャストが届きました。
お値段なんと1600円!!お得!
これの購入を決めたきっかけは結構簡単でして、実はGMTらしきものがついてるんですよ!

GMT(世界標準時)とはGreenwich Mean Timeの略で、旧グリニッジ天文台での時刻を世界標準時と定めていることに由来してます。
日本とイギリスの時差は+9時間なので今の世界標準時は日本標準時-9時間となります。

世界標準時

調整中

まあ要するに、現在の滞在国の時間に対して、別の場所の時間を表示させることのできる機構を”GMT表示機構”という名称にしているわけです、たぶん。

で、この時計が人生初のGMTです。
リューズが取れて、巻き真の是非も不明、一応自動巻きがついているので振ると少し動くという・・・こいつをばらしていこうかと思います。
※なお現在実家な為、OHをする環境がないので今回はばらして組むだけです。

まずは密林で買った1400円ぐらいの時計電池交換キットを用いて、裏蓋を開けていきます。
傷入りそう。

まあ一応は計師資格もあるので(ので?)傷入れずに開けることができました。
回転錘を回してみると、角穴車に変な動きが・・・ゼンマイか?こはぜか?

と思い分解してみたところ、こはぜは無事だったものの、こはぜバネに不具合が発見。
バネが固定されておらず、香箱とバネが干渉して巻き上げができない状態でした。
さらに、自動巻きの遊動車の先の伝え車にかかるこはぜ的なヤツが嚙み合っておらず、二重に巻き上げができない状態に。

その二か所を軽く修正したのですが、こはぜバネは修正が完全にできずばね性が微妙に・・・。

取り敢えずこはぜバネは諦めて、稼働状態にしようとしたところ、新たな不具合が発生しました。

こちら、角穴駆動車。これはカナとバネがカシメで一体にされており、歯車は半自由回転をする仕組みです。

手巻き時に自動巻き機構への動力伝達を遮断する仕組みですが、このバネとカナのカシメが弱り + バネ圧が弱まって歯車が空転する、という2段階に不具合があり、自動巻きによる正常な巻き上げが出来ずメインスプリングのトルクに負けて空転していました。

仕方ないのでこちらはタガネを使ってカシメ直し、バネも少し曲げ直しをかけて正常な状態に。

そして今度は香箱にも問題が発見されまして……こちらはアガキ不足だけだったので石をずらして回りやすくしました。

ここで、一旦ケーシングをかけなおそうとしたところ、GMT針(仮)の調整機構がなく、時針と直結されていることに気づきました。

これが正常なのか、調整方法がないのかを調べたところ、回転ベゼルと赤塗装の24時間針でワールドタイムを示す個体と、そもそもただの24時間針機能として針が付いてる個体できるが存在することを発見!

すなわち、この時計はGMT表示機構ではなく24時間表示が付いているだけであるという……。更に言うとベゼルも良く見たら紛失しており……。

調べた時計は皆時針と24時間針が連動していたものの、今回購入した個体はその表示がずれていました。

一旦ここまでにして、一度不具合の内容をまとめようかと思います。